■ピチモ物語 林間学校シリーズ
おなじみ、小説ピチモ物語「林間学校殺人事件シリーズ」の本編第3話は、いよいよ主人公でもある、りったんがメーンとなる"関根莉子編"です。本日、ちょっと冒頭部分から第1章まで書いてみましたので、さっそく予告編という形で公開したいと思います。
なお、林間学校シリーズは、まもなく2年となる長期連載(にも関わらず、一向に物語が進まない…)のため、すでにこれまでのストーリーを忘れてる人も多いかと思います。そこで、シリーズを構成する各話へのリンクを以下に載せておきますので、既読の人は思い出す意味で、未読という人は今日の分を読む前に、ぜひ読んでみてください。
■林間学校シリーズ
第1章:プロローグ 《第01話》中2ピチモ林間学校殺人事件(⇒読む) 第2章:本編 《第02話》福原遥の場合(⇒読む) 《第03話》関根莉子の場合 《第04話》田尻あやめの場合 《第05話》五十嵐ありさの場合 《第06話》加藤由梨愛の場合 《第07話》中山咲月の場合 第3章:推理編 《第08話》ピチモライアーゲーム・前編(⇒読む) 《第09話》ピチモライアーゲーム・後編 第4章:番外編 《第10話》氷のエライザ(⇒読む) 《第11話》みっきー愛の劇場(⇒読む) 《第12話》小公女はるん(⇒読む) 《第13話》ニコラ襲撃~あるいは要領の悪いニコモ虐殺~ 《第14話》ひとめ、あみたに 第6章:真相編 《第15話》暗黒ピチモ 第7章:エピローグ 《第16話》ピチ編 柿島の手記
■どっぺる りったん。(未完成)
●プロローグ
林間学校の夜、りったんは、りったんに出会った―――
「ねぇ、りったん。知ってる? ドッペルゲンガーを見た人は、1週間以内に死ぬんだよ」
あれは、いつのことだったのだろう。
ピチ撮の空き時間、ピチモどうし、他愛もないお喋りに興じていたとき。
ふと、「怖い話」が話題となり、たしか、先輩ピチモの誰かに言われたのだ。
そう、あれは"霊感が強いこと"を売りにしてた、ちょっと変わった先輩だった気がするが、今となっては、顔はおろか、名前すら思い出せない。
とにかく、そのときは、その場に居合わせた誰もが一笑に付し、すぐに別の話題に移っていったため、莉子自身、今の今まで、こうしやりとりがあったこそさえ、すっかり忘れていたところ。
それがまさか、言い知れぬ恐怖と共に、こんな形で思い出すことになるとは、夢にも思わなかった。
●第1部:追跡
林間学校1日目の深夜。
隣の布団で寝ていた遥が、何やら、もぞもぞ起き出したことで、つられて目を覚ましてしまった莉子。
莉子 「なんですかね? こんな時間に」
眠い目をこすりつつ、ひとりごちる。
そのまま、枕元にある愛用のガラケー(2つ折り)をパカッと開いて時間を確認すると、深夜2時を回ったところだった。
<ガラガラガラ>
そうこうするうち、遥は戸を開けて部屋を出ていったようである。
莉子 「あ~、おトイレですかね?」
そこで、なぜ後をつけようと思ったのかは、いま考えてもわからない。
とにかく、莉子は、まだ完全に覚醒していないにも関わらず、本能的に「何かある!?」と感じ、とりあえず、遥の行き先を確認しようと行動に移した。
初夏といっても、牧場のある高原の夜は、まだひんやりと寒い。脱ぎ捨ててあったカーディガンを手にすると、パジャマの上に羽織って、足早に遥の後を追った。
<ギィー バタン>
予想通り、遥は、トイレではなく、そのまま外に出たようだ。
莉子 「やっぱり、お外、行きましたね」
(第2部「逃走」につづく)
■つづく
さてさて、遥は、こんな深夜に、いったいどこに向かうのか。そして、後をつける莉子を待っている、驚愕の出来事とは? 第2部以降、続きは後日、書き上がり次第、公開します。