三月の転校生

中学生雑誌nicolaに関する日記

ピチレモン不都合な真実

おニャン子クラブピチレモン

f:id:GYOPI:20150509012704p:plain:rightつい先日、芸能ニュースで「おニャン子クラブ*1 結成30周年記念」 「1985年4月に結成以来、この4月で30周年を迎えるおニャン子クラブ」といったものを目にしました。

30周年。ここでピチ読なら、ピンと来るはずです。そう、「30周年」ということは、おニャン子とピチレとは、まさに同い年なのではないか。

しかも、誕生月である「4月」というのも一緒です。まさに双子のようなものではありませんか。

1年違いのナゾ

でも、ちょっと待ってください。最初に引用したとおり、おニャン子の結成は「1985年」の4月です。

一方、ピチレの創刊は「1986年」の4月です。なんと、同じ30周年のはずが、こうして、その誕生でみると、キッカリ1年、ズレてしまっているのです。

では、どうして、1年ズレているのでしょうか? そのウラに、必ず何か理由があるはずです。

「周年」の数え方

といっても、実は、とくに難しいものではありません。去年から、この三月の転校生で、繰り返し指摘しているとおり、ピチレが珍しい数え方をしているからに他なりません。

そもそも、一般的には、というか、世間の大方の認識では、そのグループが結成・デビューした年、または、その雑誌が創刊した年など、とにかくスタート地点から、まる1年たった、「1年後」こそが、1周年です。

「周」の文字の意味の通り、デビューから、年をぐるっと1周まわって(たとえば4月から翌年4月まで)、再びスタート地点に戻ったところが、「○周年」なのです。

だから、85年4月デビューのおニャン子が、キッカリ30年後、年を30回へて、2015年4月に、30周年を迎えるのは、ごく自然なところといえます。

ピチレの数え方が妙

一方、ピチレはどうでしょうか。その創刊は、新学期スタートにあわせ、86年の4月に発売となった「5月創刊号」です。

そうです。86年4月ということは、この日記を書いている2015年4月現在で、キッカリ、29年。キッカリ、年を29回へたところです。なのに、「30周年」とは、これいかに?

ピチレ30周年のカラク

そのカラクリは、単純です。ピチレは、「創刊した年を、イキナリ1周年」と数えているからです。

つまり、創刊したその瞬間が、1周年。創刊年である86年が、そのまま1周年。創刊号が、イキナリ1周年記念号。この仕組みには、ちょっと納得できない人も多いと思います。

「1周年」の一般的な使い方

ここで再び、芸能ニュースから。AKBの新チームである「チーム8」が、このたび、結成1周年記念コンサートをやっています。

チーム8といえば、もちろん、2014年デビュー。で、その結成から、ちょうど1年たったのを記念してのライブです。

これを、もしピチレ式で数えると、デビューした瞬間の2014年が1周年ですので、今年はチーム8にとって、2周年になってしまうわけです。

これだけでも、ピチレ式でいう「結成(デビュー)したその瞬間が1周年」というのは、やっぱり一般常識的にいっても、やや無理があると分かってもらえると思います。

ドリ5の場合

続いては、おニャン子やAKB以外の例もあげてみます。ピチレに関連したとろで、まずは「Dream5」から。

大原優乃ちゃんでおなじみ、ドリ5のデビュー年は、2009年です。最近も、ピチレ本誌で「デビュー5周年」と取り上げられていましたが、なにより、「デビュー5周年記念ワンマンライブ」が、2014年11月9日に行われています。

まさに、2009年11月のCDデビューから5年後となる、2014年11月に、5周年を迎えたわけで、これまた世間一般的な数え方。

そこで、例によって、これをピチレ式で数えると、どうなるか。ピチレ式は、「デビュー時が1周年」ですから、ドリ5の場合、5周年ライブの最中に、実は6周年だったという、異常事態になってしまいます。

AKB本体の場合

続いては、再びAKBの例。こんどは、本体の48グループについてです。

AKBは、すでに今から盛り上がっているように、今年2015年が、記念すべき10周年となります。正確には、今年の12月8日をもって、10周年。

2005年の12月8日が、劇場初お披露目だそうですので、そこからキッカリ10年後ということになります。

しかし、こちらもピチレ式に数えると、2005年のデビュー時が1周年ですので、今年2015年は、11周年になってしまいます。

ニコラの場合

最後は、ちょっと切りのいい数字にはなりませんが、ライバル誌「ニコラ」も検証してみましょう。

ニコラの創刊は、1997年です。で、最も近いところでの記念イベントといえば、創刊15周年です。では、15周年記念は、いつ行われたか。

すると、表紙にも、でっかく「創刊15周年記念号」と入った、2012年7月号となります。まさに、97年にプラス15。これまた、一般の認識どおり、キッカリ15年後に、創刊15周年を迎えています。

で、くどいようですが、これをピチレ式で数えるとどうなるか。ピチレ式は「創刊時=1周年」ですので、ニコラの15周年は、2011年になってしまうわけです。

"オレ様ルール"の限界

以上、まとめると、ようするに、ピチレの場合、創刊したその瞬間を1周年とするため、その後、今に至る29年間、延々と1年の「ズレ」が生じてしまい、結果、世間の一般常識からも、「ズレ」てしまっているわけです。

そもそも、86年創刊のピチレが、創刊30周年というなら、単純に、これにプラス30ということで、2016年というのが一般的。

にも関わらず、編集部が「こういう数え方もある」「けっして間違いではない」「ずっとこのやり方でやってきた」と、いくら強弁しても、残念ながら説得力はイマイチです。

なにより、雑誌は、お金を出して買ってくれる読者あっての客商売。フツーの人が、フツーの感覚で「おかしい」と感じたら、それはもう、おかしいのです。読者を説得できない時点で、客商売としては、負けなのです。

将来的に訂正を

ということで、読者として望むのは、周年の数え方につき、一般的な方式をとって欲しい。その1点に尽きるわけです。

とはいえ、ことは編集部の方針の修正・訂正で済む状態では、すでになくなっているのも事実です。様々なブランドや、企業との提携、共同したイベント、商品開発。もはやプロジェクトは動き出してしまっていて、いまから訂正するには、もう手遅れです。

となれば、将来に期待。今後もピチレが35周年、40周年と続いていくと仮定して、その際は、ぜひ世間一般で通用している「35周年」「40周年」の数え方に従い、誰からも疑問をもたれることなく、みんなに祝ってもらえる形で、そのときを迎えて欲しいと思います。

*1:おニャン子クラブとは、秋元先生プロデュースのアイドルグループの元祖。いまでいうAKBのようなもの